「一流ホテル並みサービス」半世紀以上も運行、近鉄特急がひっそりと引退
昭和から平成にかけて、近畿日本鉄道を代表する特急電車だった12200系車両が、12日を最後に定期運用から外れ、「現役引退」しました。
東海道新幹線に対抗するため、快適さを前面に押し出した、豪華列車の草分けでしたが、新型コロナウイルスの緊急事態宣言の中、式典もない静かな幕引きとなりました。
12200系は、名古屋と大阪、伊勢・志摩を結ぶ特急車両として、半世紀以上運行されてきました。
オレンジ色の窓回りを、濃紺の帯が貫く外観がトレードマークで、1970年の大阪万博に合わせ、69年から8年間製造され、最盛期は166両が在籍しました。
当時、名古屋―大阪間を1時間で結んだ新幹線に対し、近鉄特急は2時間かかるため、快適さをアピールする戦略を選んだかたちです。
座席間隔を広くとって、リクライニングシートを備え、乗客におしぼりを配るなど、
「一流ホテル並みのサービス」
をうたい、お召し列車や英国エリザベス女王が乗る、特別列車にも使われました。
近鉄では13日から、名阪特急は全て、新型車両の「ひのとり」と、桑名や四日市など途中駅に止まる「アーバンライナー」に統一するとのことです。
これに伴い、車いす対応設備がないなど、時代にそぐわなくなった同系は、定期運用から外れます。
時代の流れには逆らえないかたちで、寂しいお別れでしたね。
引用:Yahoo!ニュース